カポエイラリポート em スペイン
4月にスペイン・マドリードでカポエイラしてきましたのでリポートします。
昨夏、名古屋支部のレッスンに、長年スペインで暮らしている日本人女性のMakoさんが、ビジターとして来てくださいました。日本に帰省されている間の数回でしたが、エネルギッシュなMakoさんと楽しくレッスンをしました。
そんな素敵なご縁でこのたび、マドリードでのMakoさんの段の授与式に立ち会うことができました。
Makoさんはカポエイラ歴2年ほどなのですが、先生のC. Mestre Kulaが独立し新グループを立ち上げた(グループ名Asociacion Arte y Capoeira Antiga)といった経緯もあり、グループとしては初の式典開催、またMakoさんにとって初めての段の授与ということでした。
グループがあるのはマドリードの中心部から少し離れた、マハダオンダという街。とっても瀟洒な住宅街です。サッカーチームアトレティコ・マドリードのクラブハウスもあります。

4月28日、Mestre Coriscoを招き、朝からプログラムがスタート。ムーブメントクラス、楽器クラス、カポエイラの歴史、オープンホーダ、ワークショップ、そして授与式…とカポエイラ三昧の1日となりました。
ポルトガル人であるKula先生は、マドリードの大学で体育学を専攻していたそうです。Corisco先生はその友人でこちらもポルトガル人、普段はリスボンで活動されています。お二人はポルトガル語を話すけれどブラジル人ではなく、生徒さんはほとんどがスペイン人、そして私たち日本人と、ちょっと不思議な感覚でした。その日ばかりは「私ちょっとだけブラジル代表。」となんだか勝手に、そんな気持ちが湧いてきました。
スタジオからオープンホーダをした広場まで、歩きながらみんなでいろんな話をしました。途中で先生が「お茶しようか」と言ってオープンカフェでコーヒーブレイクしてみたり。(ブラジルでもそうなのですが、道場からの移動で、楽器を手で運んでみんなで歩いて、道すがら、地元の人たちと「元気?」と声かけ合って…という雰囲気が大好きです♡)
屋外ではドローンを使って撮影されていました。いまどきのヨーロッパの若い人たちが好きそうな感じです。でも自分がジョゴしているところを上から見みることなんて無いので、撮影してもらえてよかったです。クライマックスの授与式は、生徒さんの家族や友達を招いてみんなでお祝いして、とってもアットホームな雰囲気でした。こちらのグループではロープ状の帯ではなくlenço(レンソ)という亜麻布を巻きます。


元器械体操の選手で、現在もコーチとして指導したり発展途上国の選手達の支援をしたりとパワフルなカポエイリスタFera。コンテンポラリーダンサーでもあり、その日のワークショップ“ボディ・エクスプレッション”の時間も担当していました。カポエイラ歴としては私とほぼと同じ。Feraとのジョゴ(ゲーム)は本当に楽しく勉強になりました。初めて対戦するのにリズムが合い、それでいてお互いが「なにを仕掛けてくるんだろう?」という緊張感もありました。彼女も同じことを感じてくれていたそうです。Feraとはその日初めて会った訳ですが、闘いでありじゃれ合いを、初めて会う人とでもできてしまうのがカポエイラの面白くて不思議なところだと思います。
私はプレイヤーとしては特に上手なわけではないのですが、ただ教わったこと、動きだけでなく“間合い”であるとか“スピリット”などを表現できたらな、と思っています。私のカポエイラを通して「コハダンっぽいね。」と言われることが、グループの看板をしょってるってことなんだ、とあらためて気づくことができました。
一日を通じ必要な時には率先して楽器を弾いたり、歌ったりとサポートにまわり、たとえ違うグループだとしても、プロフェッソーラとしてきっちりと役目を果たせたと思います。また、カポエイリスタとしては純粋に楽しくて、まさに“リヴリ(自由&解放感)”を感じながら心地よくカポエイラをすることができました。
もうひとつ今回実感したのは“多様性”です。もはや私たちはカポエイラのルーツとなった奴隷ではありません。が、一国の国技が世界中に広まり、人や社会や世界が変わっても現在にまで繋がって存在しています。様々なバックグラウンドの人たちがカポエイラをし、当然、それぞれ考え方も違います。古き良きコアな部分は守っていきたいのですが、これからも変化し多様化するカポエイラに、どう向き合っていくかが課題であると思いました。…
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